特集 ―モバイルアプリ作者に聞く iPhoneで一歩先行く米国事情と狙いどころ―

ソフトの世界にはトレンドというものがある。前回のコンテストでは、iPhoneが日本でも発売された盛り上がりの中で実施された。その後のトピックといえば、AR(拡張現実)や位置情報、mixiアプリなどソーシャルアプリとモバイルの連動だろう。米国在住の人気iPhoneアプリ開発者のモーリーさん(事情で仮名とさせていただきました)、iPhoneやMacまわりの取材もこなしながらご自身もiPhoneソフトを出されている宮本朱美さんに、iPhoneを中心にモバイルアプリのねらいどころを聞く。

米国では、若年層にもiPhoneが売れている 日本もユーザー層は広がるだろう

日本と米国の違いというのはありますか?

モーリー

米国の場合、iPhoneのユーザーの層が日本とは大分成熟度が違っていて、普通の人がiPhone持ってますからね。

日本もやっとそのムード出てきましたよね。

モーリー

いや、日本では、使いたいとか興味があるとかでiPhoneを買う。で、買ったからには何かを使いたいとかあるじゃないですか。それに対して向こうは、もう普通にiPhoneかどうかは知らんけど、電話として買ったと。

ええ、そこまで行ってるの。

モーリー

そこまでは言わないか(笑)。「iPhoneってカッコいい」とかくらいのことを普通の人が言っている。高校生もです。向こうはSMSのテキストメッセージですけど、BlackBerryとかでやってきていますから、そのあたりは日本と変わらずメールはバシバシ使うわけですよ。だから、普通に飛行機に乗るときパッと見たらだいたいみんなiPhoneですよ。

おー。

宮本

特にカリフォルニアなんかはそうですね。

飛行機に乗るような人は、だいたいiPhone。

モーリー

動かしてるのを見るとiPhoneですよ。動かしてない人、ポケットから出してない人っていますから、本当の割合はわかりませんけど、出してる人を見るとだいたいiPhoneですよね。

宮本

学生の場合はiPod Touch。

モーリー

そうですね。

宮本

小学生の女の子が、兄弟でゲームしてるとか、音楽聴いてるとか、映画見てるとか。

BBCのClickっていう番組を見たら、やっぱり、iPhoneとかiPod Touchで5000万台を超えたと。要するにゲームプラットフォームとしてPSPは大丈夫かみたいな話をやっていましたね。高校生とか、大学のクラスで、何人ぐらいiPhone使っているんですかね?

モーリー

ところが、学校には持っていけないみたいですよ。

なんで? 情報漏洩とか。

モーリー

学校が禁止してる。

宮本

携帯禁止ってことですか。

日本でもあるか?

モーリー

高校だとね、盗まれる(笑)。

そんなばかな。だってビバリーヒルズ高校白書ではそんなネタはなかった(笑)。要は、日本って平和なんだ。

モーリー

そんなんだから学校でというのはないんでしょうけど、ただジェネレーションとしてはそういう人たちはちゃんと持ってる。

米国では、iPhoneの利用層の年齢が相対的に低いというのは本当なんですね。

モーリー

そういう層がボリュームゾーンですから、当然、売れるソフトのジャンルとかも変わってきますよね。

ゲームですか?

モーリー

そうですね。エンタメ性の強いものになると思いますよ。だから、米国のiTunes Storeのトップを見ると、辞書とか仕事で使えるツールなんて入ってきませんよ(笑)

日本はね、ライフハックぽいものとか仕事関係が多いですよねぇ。『週刊東洋経済』が11月14日号で「仕事術&勉強法」という特集をやったんですが、もうiPhoneの宣伝なんじゃないかみたいな内容だったんですよ。今どきの仕事術と勉強法っていったら、ネットが絡んでくるのはおかしくないわけですけどね。しかも、中に出てくる人がiPhoneを絶賛してる。この記事の中に出てくる6、7割は少なくともiPhoneを使ってるんじゃないですかね? ただ、これから日本も若い層に広がる可能性もありますね。そこは、市場の動きを見ておくといいかもしれませんね。