製品を出してからが本番
- 林
-
自分のブログ(nobilog 2)で書こうと思って書いていないものがあって。
- 遠藤
-
なになに?
- 林
-
点と線じゃないけれども、ものを発表したときに、それが完成形だと発想しちゃいがち。日本の大企業もそうだけれども、製品を出すことがゴールだと考えてしまっている。
製品を出すところまでをオプティマイズして、そこまでしか予算を取っていない。わーっとブレストして、作って、市場に出したら全然違う方向に受けてみたり、大きな欠陥が分かってどうしよう……となったりするんですが、実は成功している会社は、製品を出すところはスタートポイントなんです。
製品を出すことで初めて世の中からフィードバックがあって、そのフィードバックを指標化して分析することで改良が生まれ、改良をすることでさらに良い製品になって……そのループを増やしていくことが重要。ループを1回やることで製品が進化する。
アナリティクスを入れることがまず重要で、そのアナリティクスからどういう風に学習して、製品をよくしていくのかというのは非常に重要で、Apple とかTwitterがどうして成功したかというと、最初の製品がすごくシンプルだったから。
究極のシンプルというのは、作り手達の勝手な思い込みが入っていない。一番ベーシックなものが、一番広く受け入れられるじゃないですか。それを市場に投げてみる。Twitterなんて、@(メッセージ機能)などはユーザーが開発したもので、最初はあんな機能なかった。ダーウィンの自然選択的に、生き残った習慣だけを標準機能として取り入れてきた。
- 丸山
-
たとえばクラウドでは、日本は、セキュリティをどうするかというところが、まず問題になる。あともう一つは、クラウドを標準化しろと言う声も大きい。ともかくクラウドのインターオペラビリティを確保して、ちゃんとみんな同じものを作るようにしないと、安心して繋がらないとか。
でも、現実のシステムでは、リアルにみれば、インターオペラビィティは十分には保障されていないんです。同じ、JavaEEの規格に従っていたとしても、SunのシステムをIBMのシステムに入れ替えるのは、そんなに簡単じゃない。
標準を作ってそれに準拠して各社一斉に作りましょうというのは、技術の変化のダイナミズムを見ていない議論。それだけでは、市場で大きなパイを取って、デファクトのスタンダードになろうとしている相手とは、戦えない。特に、クラウドのように、技術の変化と競争が激しい分野では標準化は事後的に生まれるもの。技術の革新には、技術の革新でこたえないと、うまくいくわけない。
- 遠藤
-
ものがない状態でも「こんなことができる」ということで、製品やサービスの発表することだってあるじゃないですか。
- 丸山
-
そうそうそう! ……えっ!? いやそれはどうかと思うけど(笑) とにかくスタンダードは後から出来るものなのに、最初から作ろうとする。しかも、あらゆる可能性を網羅してとか。技術自体が成熟していないのに、それは無理というもの。
「改良のループで製品は進化する」――林
「技術の革新には技術の革新で対抗を」――丸山